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委員会作成の経緯

平成28年2月、本邦で初めて浅大腿動脈における症候性末梢動脈疾患(以下、PADという)治療の適応を有するステントグラフトが薬事承認を受け、これまで外科的バイパス術が中心に行われてきた長区域の狭窄・閉塞病変において、新たな血管内治療を可能にするデバイスとして注目されている。

一方でステントグラフトを用いた長区域病変の治療を検討する際、その適応判定は極めて重要で有り、患者の状態や解剖学的条件等により外科手術のオプションも見据えて判断されるべきである。承認された上記ステントグラフトの本邦での臨床治験において、慎重な適応判定を行った結果極めて良好な成績が得られたこともその裏付けといえる。

これらのことから、日本脈管学会並びに関連学会である日本血管外科学会、日本心血管インターベンション治療学会、日本インターベンショナルラジオロジー学会は、ステントグラフトによる浅大腿動脈長区域病変いわゆるTASCⅡ C・D型病変の適切な治療の徹底は極めて重要であると捉え、各学会から選出された委員による実施基準の策定並びに実施基準を運用するため、各学会理事会の承認を以て、浅大腿動脈ステントグラフト実施基準管理委員会を設立したものである。